2020年は大きなレギュレーション変更もなく昨年のマシンの進化版であることを考えるとメルセデス、フェラーリ、レッドブルホンダのTOP3は今年も速いことが予想されます。
一方で中団グループの各チームも「中団でトップ」もしくは「TOP3に追いつけ追い越せ」で必死に開発を行なってきたと思います。
そこで中団グループのルノーに目を向けて状況を書いてみたいと思います。
昨年のルノーは良いとこなし
2019年はレッドブルよりダニエル・リカルドを迎えTOP3に割って入る予定だったルノーですが前半はトラブルやパフォーマンス不足で全く良いところがありませんでした。
後半は中団グループの上位に食い込めるようになりましたが全体としてはパッとしないシーズンでした。
パワーユニットを供給しているマクラーレンにも先にいかれる始末でワークスとしては悔しい思いでいっぱだったでしょう。

マイクパフォーマンスが多い印象が強くルノーのパワーユニットは「ホンダより上だ」とか「1000馬力以上」出ているとか正直聞いて呆れる感じでした。
「馬力」だけ考えればいいのであればホンダもこんなに苦労はしてないでしょう。
パワーユニットは「馬力」だけでなく「ドライバビリティ(アクセスを踏んだ時の反応の良さ)」も重要ですし、マシンの空力を考慮して「大きさ」「形」「各パーツの配置」も重要になってきます。
従ってホンダとしても空力のために妥協した部分もあるはずで、そのような制約がある中で最大限のパフォーマンスを出す努力をしているわけです。
つまりレッドブルから「空力のためにこの大きさの中にパワーユニットを納めて欲しい」という要求がありその制約の中で苦労して開発をしているんです。

仮にルノーのパワーユニット性能が良くて車体性能が悪いとすると、車体側の要求を妥協してパワーユニット側がその恩恵を受けている可能性があると言わざるを得ないです。
裏を返すと車体側の要求を受け入れたとたんパワーユニット性能が落ちる可能性があるということです。
一方が良くなると他方が悪くなる「トレードオフ」なんです。

またルノーのいう「1000馬力以上」もマユツバの可能性もあるのかなと。
現にメルセデスやフェラーリでさえ「1000馬力」でていないと言っていてルノーの測定方法は我々と違うんでしょと「皮肉を込めて」コメントしてしました。
要はルノー経営陣に向けてのパフォーマンスでしょう。
それにしても「1000馬力以上」はいいとして「ホンダより上」は余計でしたね。

今年のルノーは一味違う?
2回目のバルセロナ合同テストではダニエル・リカルドがC5タイヤ(一番柔らかいタイヤ)で好タイムをマークしました。
2月の新車発表ではイメージ画像のみの発表でマシン開発の遅れを疑われていましたがテストの結果を見るとそれほど悪くない印象を受けました。
ただ中団トップは狙えてもTOP3を脅かすことができるかは疑問かなと。
まとめ
今年のルノーは徹底して情報を出さない戦略をとってるようですね。

新車発表会では車体全体を見せないイメージ画像のみですし、テストでも車体形状を見にくくするために真っ黒な車体を持ち込んだりしてますので何か知られたくない秘策が車体に盛り込まれているのでしょう。
その意図はレースを見ながら考えていきたいと思います。
何かにつけホンダをこき下ろすルノーなので個人的にはあまり好きではないですが(レッドブルからリカルドも取っちゃいましたし)F1の今後の存続と繁栄を考えるといなくなっては困る存在なので頑張って欲しいと思います。
